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オリジナル創作絵本(第1章6話完結)2000年作成
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『ピコピコテンポ』(ダイジェスト版)
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ある日、屋根裏で見つけた大きな古時計。
時計のふたを開くと、そこからなにやら出てきました。
「ボワ〜ン!!」
「フゥ〜ッ、やっと出られた。」
なんと、手袋みたいなへんなのが出てきて、しゃべりました。
「僕の名前はピコピコだよ。」
「やれやれ、わしは、カチンコチンで疲れたわい。
わしゃ、テンポじゃ。」
な・・・な・・・なんと、古時計もしゃべりました。
「わしらは、時間の国からやってきたんじゃ。
ほら。チクタク、テンポ〜ッ!! 」
古時計が言いました。
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あれれっ・・・どうしちゃったのかな?
ぼくは、宇宙に浮かんでいました。
なんだか楽しそうな星が見えます。
「あれがわしらの住む時間の国じゃよ。」
テンポの声です。
「ぼくたちは、あそこに帰りたいんだ。」
ピコピコの声です。
時間の国は、遊園地みたいに楽しそうな星でした。
ぼくは 、なんだかワクワクしてきました。 |
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ぼくは、再び屋根裏に戻っていました。
「どうして、帰れないの?」
ぼくは、聞きました。
「時間の国の案内人アルタンとはぐれちゃったんだ。」
ピコピコが言いました。
「わしらは、そのアルタンを探さないと帰れないんじゃ。」
大きな古時計のテンポが言いました。
「じゃ、そのアルタンを見つけたらいいんだね。」
ぼくは言いました。
「よし、アルタン探しを手伝ってあげるよ。」 |
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アルタンを探しに家を出たぼくらは、
公園で年老いた犬を連れた女の子に会いました。
女の子は困った顔をしています。
「ねぇ、どうしたの?」
ぼくは、聞きました。
「何かを探しているんだけど、思い出せないみたいなの。」
女の子は、老犬を見ながら言いました。
ピコピコが「ピコピコ、グーチョキパー!!」と言うと
みるみるうちに老犬が、子犬に戻ってしまいました。
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子犬にもどった老犬は、
何かを思いだしたようにあちこち動き回っています。
時計塔の下を掘り返すと
なんと、むかし埋めた大好きな骨を見つけたのです。
「あなたは、魔法使いなの?」
ぼくは、女の子に今までのことを話ました。
「わたしも、一緒にアルタンを探してあげるわ。」
と 女の子が言いました。
「お家へお帰りなさい。」女の子は犬に言いました。
楽しそうに、スキップして帰ってゆく犬を見送りながら、
ぼくらのアルタンを探す旅をはじまりました。
《続く》
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